九州工業大学・山田駿介の研究

電気をやさしく土へ

センサーや電池が、役目を終えたら自然に還る。
そんな未来をつくる「消える電子材料」の研究です。

  • 専門知識なしでOK
  • 中高生から読める
  • 図でやさしく解説
WHY?

最初の問い

電子機器は便利でも使い終わったら?

小さなセンサーや電池は、医療・農業・環境観測など、さまざまな場所で活躍します。一方で、回収しにくい場所に残ると、ごみになることもあります。

?

必要なときだけ働いて最後は消える
そんな電子機器をつくれないだろうか?

研究のアイデア

分子の“結合”を設計する

とても小さな分子どうしの関係を変えると、
材料全体の性質を大きく変えられます。

STEP 1

自然にある分子を選ぶ

植物など、生きものに由来する材料に注目します。

STEP 2

イオンの力を借りる

プラスとマイナスの粒が動くことで、情報や電気を運びます。

STEP 3

分子の“結合”を設計する

くっつく強さを調整し、液体・ゲル・固体の性質をつくり分けます。

STEP 4

働いたら自然に還る

必要な時間だけ働き、役目のあとに分解するデバイスを目指します。

この考え方を「分子間相互作用の設計」と呼びます。名前はむずかしくても、発想はシンプルです。

3つの研究テーマ

材料からセンサ・電池まで

「つくる」「感じる」「動かす」をつなぎ、
環境に残りにくい電子機器を考えます。

01FOUNDATION
傷をつけたあとに再びつながる自己修復イオン材料

生きもの由来のイオン材料

植物などに由来する分子を組み合わせて、電気を運べる新しい材料をつくります。

02SENSING
指で触れて動作を確かめるやわらかい触覚センサー

役目のあとに消えるやわらかいセンサー

体温や触れたときの力を感じ取り、必要な期間だけ働くセンサーを目指します。

03ENERGY
コインと並べた小型の蓄電デバイス

分解できる小さな電池

センサーを動かし、役目を終えたあとも環境への負担が少ない電池を研究します。

研究マップ

小さな分子の設計が未来のデバイスへ

研究は、材料をつくるところから始まり、
センサーや電池、身につける機器へつながります。

01 — MATERIALS

機能性イオン材料

分子どうしの関わり方を設計し、自己修復や極性など、材料の新しい性質を引き出します。

傷がついたイオン材料の自己修復を示す写真
自己修復
青い液体を用いた極性制御の実験写真
極性の制御
02 — DEVICES

やわらかいイオンデバイス

やわらかい材料で、触覚センサー小型の蓄電デバイスをつくります。

指で触れて動作を確かめるやわらかい触覚センサー
触覚センサー
コインと並べた小型の蓄電デバイス
エネルギー貯蔵
03 — APPLICATIONS

バイオイオントロニクス

人のからだになじむ機器や、役目を終えたあとに消える電子機器への応用を目指します。

腕に貼りつけて使うやわらかいウェアラブルセンサーのイメージ
ウェアラブルセンサー
皮膚の中で時間とともに分解する電子機器のイメージ
消える電子機器

WHERE?

もし“消える電子機器”が当たり前になったら

回収するのがむずかしい場所でも、
安心して情報を集められるかもしれません。

MEDICAL

からだを見守る

治療後に取り出す負担を減らせる医療センサーへ。

ENVIRONMENT

森や海を調べる

自然の中にごみを残しにくい環境センサーへ。

ROBOTICS

やわらかく動く

生きもののようにやわらかなロボットの材料へ。

ことば図鑑

まずは3つだけ

タップすると、やさしい説明が開きます。

01IONイオン

電気を帯びた、とても小さな粒。プラスとマイナスがあり、材料の中を動いて電気や情報を運びます。

たとえるなら:材料の中を走る“小さな配達員”
02BIODEGRADABLE生分解性

微生物などの働きによって、材料が小さな物質に分かれていく性質。分解する条件や時間も研究の大切なポイントです。

たとえるなら:落ち葉が少しずつ土に還るような仕組み
03IONTRONICSイオントロニクス

電子だけでなく、イオンの動きも利用する技術。生きものの体もイオンで情報を伝えるため、やわらかな機器と相性があります。

たとえるなら:生きものと電子機器をつなぐ共通言語

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